ライフ イン スウェーデン

スウェーデンでの日々の雑感、旅行記、サッカー観戦記、などなど。

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ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 ネタバレあり

月刊誌『ミレニアム』の発行責任者ミカエルは、大物実業家ヴェンネルストレムの違法行為を暴露する記事を発表した。だが、名誉毀損で有罪になり、彼は『ミレニアム』から離れることになる。
そんな彼の身元を大企業グループの前会長ヘンリック・ヴァンゲルが密かに調べていた。
背中にドラゴンのタトゥーを入れ、特異な風貌をした女性調査員リスベットの働きで、
ヘンリックはミカエルが信頼に足る人物だと確信し、兄の孫娘ハリエットがおよそ40年前に失踪した事件の調査を彼に依頼する。
ハリエットはヘンリックの一族が住む孤島で忽然と姿を消していた。
ヘンリックは一族の誰かが殺したものと考えており、事件を解決すれば、ヴェンネルストレムを破滅させる証拠資料を渡すという。
ミカエルは依頼を受諾し、困難な調査を開始する。

全世界で2100万部を突破、2008年度世界書籍売り上げランキング第2位!世界中に旋風を巻き起こした驚異のミステリ3部作の第1部。映画化され、ヨーロッパを中心に各国でナンバー1の大ヒット。

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以上がアマゾンでの紹介

ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 上下 早川書房を読み返した。

この作品は、日本語版が手元にあり、原書を買って並行して読んだ。最初は原書を数ページ読んでその後で日本語で確認、だったが、だんだん面倒になり(笑)最後のほうは先に日本語で読んで後でスウェーデン語で読んだ。

ミレニアムシリーズは3まであり、私の手元には日本語版は1しかない。で、2と3を原書で先日読み終えた。

そして、1の日本語版上下をこのたび読み返した。
そう、ハリウッド版の映画を見る前にもう一度読み返しておきたかったわけである。
ちなみにスウェーデンで製作された映画は見てない。

まずネタバレなしの書評を書くようにトライしたいところですが、面倒なので諦めました。

ネタバレ全開でいきますので、映画をみる予定の方は今日はここまで。映画を見た後もしくは本で読まれた後にまたのお越しを。




まず、結論から言うと、非常に楽しく読める娯楽作品であることは間違いないと思います。
さらに、この作品は、ストックホルムと、スウェーデン北部の架空の島と町が舞台なのですが、ストックホルムの様子はわかるし、他の実在の町の様子や彼らの食事の内容や実際の味も手に取るようにイメージがつくのがスウェーデン発の小説の楽しめるところでしょう。

私が読んで思い出したのは、シドニーシェルダンの「ゲームの達人」です。ゲームの達人は日本語で読んで、英語の吹き込み版を図書館で借りてカセットに落として、それを聞いて英語のヒアリングの勉強に昔励んだことがあります。今回の場合は二つの言語で読んで楽しみました。スウェーデン語の本で日本語に訳されているものは今まで読んだことがなかったので、どのように訳されるか、というのも興味がありました。そして、スケール感やスリル感もよく似ているなあと思いました。

作者ラーソンにかかわるエピソードはネットでもたくさんヒットします。作者は大ヒットしたときにはすでに亡くなっていること。サンボ(内縁の妻)の女性が遺産や売り上げの利益を引き継ぐことができないこと、など。
ちなみに、原書での1の題は、「ミレニアム、女を憎む男たち」、で、第一章の前には、「スウェーデンでは女性の18パーセントが男に脅迫された経験を持つ。」第15章の前に、「スウェーデンでは女性の13パーセントが、性的パートナー以外の人物から深刻な性的暴力を受けた経験を有する。」という文章が入ってます。作者ラーソンがジャーナリストで差別問題への意識が高く、女性への暴力への関心も高かったのでしょう。
(私の印象では、この国の女性が他の世界の国の女性に比べて酷い迫害をうけているとは到底思えないがそれはおいといて)

この日本語の本には、登場人物一覧表の書いた紙がはさんであります。まあ確かに多いとは思うが、まあ、それほど混乱するほどではないです。
で、主要人物は、ミカエル・ブルムクヴィスト、エリカ・ベルジェ、そしてリスベット・サランデル。ちなみに私の一番好きな登場人物はドラガン・アルマンスキーというリスベットの上司です。彼が一番人間味があるといっていいでしょう。
キャラはドラゴンタトゥー女のリスベットが一番立ってます。社会や組織への親和性は0で、その理由は本人の性格や特質にもよるが、もっと詳しいことはこのシリーズの2にならないとわからないようになってます。
ミカエルは「典型的なスウェーデン人男」とはとてもいえない、正義感倫理観に満ちたジャーナリストです。もちろん、典型的な人物を主役にすえてもドラマが面白くなるわけないのであたりまえといえばあたりまえかもしれませんが。

ま、正直あまり好きにもなれないし、感情移入もできないキャラです。

エリカとミカエルの関係もわかるようでわからない。同志であり、同僚であり友達であり愛人である。ちなみにエリカは人妻でその旦那グレーゲルがふたりの関係に関して苦情をいわないからなりたってます。そこはあまり倫理的ではありません。

ミカエルは女性からしたらとても魅力があるようで、若い頃からの遍歴もおさかんで、そして、この作中でもふたりの女性が自分から彼を誘惑してきます。
他の人の書評をネットでみると、さすがスウェーデンの作品、セックスに関する登場人物の意識や描写があっけらかん、みたいなものもいくつか見受けられました。

残念ながら(笑)、スウェーデン人の恋愛意識やセックスへの意識の情報には疎いのでこれに関しては的確な評論ができないのですが。

まあ、女性から積極的に迫る人もいることはいるのでしょう。

とにかく、第一印象からして、寝てみたい、と思わせる男、一緒にいても、違和感がない、いやな感じがない、抱かれてみたい、というスーパーな設定です。

しかし、登場人物のそこらへんの心象説明は小説としてはあまりうまくありません。

で、この小説は、ミカエルとエリカのストーリー、謎めいたリスベットのこれまでの人生と、リスベットの後見人ビュルマンとの間の確執、実業家ヴェンネルストレムとミカエルの対決、そして、ヴァンゲル家の長年の謎とその内部の驚くべき人間関係という複数のストーリーが織り成されてます。
で、これが彼の小説処女作ということを考えると、やはりたいしたものである。
ミカエルがヴェンネル家の長年の謎を見事に解決します。ネタバレ全開といえどもそこを書くのは控えておきます。
詳細をつきつめると、やや現実感がないとは思いますが、まあ、見事な推理過程とからくりだったとはおもいます。

すこしだけネタバレをだすと(核心なので改行します。やはり知りたくない人はここまでで)、


重要な暗号解析に聖書がからんできます。これはミッションインポッシブル1でもでてきたし、西欧の謎解きではよくある共通の暗号解析書類ということになります。

しかし、いかれた殺人鬼親子とその犠牲者の心象描写はまあ、もうひとつかな。

あと、ヴァンゲル家の問題の最終解決、そしてヴェンネルストレムに関する問題の追及に関しては、もはや推理小説とはいえません。

なぜなら、リスベットの特殊能力、画像記憶能力や記憶力、他人のコンピューターへのハッキング能力、そして複数の優秀なハッカー友達が解決するからです。そのための発明品もでてきます。ようするに、SFの世界といっていいでしょう。

そう、この作品は娯楽作品で、各シーンの映像イメージもスリルもなかなかのレベルでしょう。だからこそ世界的にヒットして映画化されるわけですが。
それに作者の暴力を受ける女性への視線があり、リスベットの生い立ちの謎は先送りされます。
結論としては、訳者のあとがきにあるようにわざとミカエルは「美しくセクシーだが賢いとはいえない典型的な「女性キャラクター」の男性版としてかかれて」おり、それがまあ、正直感情移入できない理由かもしれませんが、スウェーデン独自の新たなヒーロー像ともいえますし、物語の後半の展開はうまくいきすぎではありますが、楽しむことができました。
ま、一番面白いところは、リスベットのビュルマンへの逆襲の刺青シーンです。
(実は、小説、原書で2が手許にあって、それから読み始めて何のことかわからず、1をあとで買ったというのが実情です)

ちなみに原書でも比較的すいすい読めましたが、単語レベルで分からないところはもちろんわからずストップして辞書ひきひきです。そうやって読むとやはり状景がクリアーにイメージできないところが第二外国語の語学力の限界といったところでしょうか。

正直、スウェーデン社会の問題点や暗部を暴いた、という感じはなく、ああ、そういうことに神経質な人は女性だけでなく男性にもいるんだな、といったところでしょう。作中では女性の男性に対する暴力は痛快に表現されてますがなんだかなといったところです。
ハリウッド映画はチョー楽しみです。




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コメント


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参考にさせて頂きました<(_ _)>

東京+タトゥー+tattoo | URL | 2012-01-17(Tue)14:05 [編集]


Re: タイトルなし

東京+タトゥー+tattoo さま
コメントありがとうございます。

> 参考にさせて頂きました<(_ _)>

Maggie Q2000 | URL | 2012-01-18(Wed)08:42 [編集]


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