ライフ イン スウェーデン

スウェーデンでの日々の雑感、旅行記、サッカー観戦記、などなど。

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ふぉん・しいほるとの娘 上下 ねたばれあり

ふぉん・しいほるとの娘 吉村昭

読み応えのある大作だった。

シーボルト、そう、長崎の出島に来たオランダ人を詐称したドイツ人医師。
日本の地図を持ち出そうとしてばれて、国外追放になった。しかしその後鎖国もとかれて日本に再上陸。

彼が日本でかき集めた物品をどどんと展示してある、オランダのライデンにあるシーボルトハウスには数年間にいってきた。その時は楽しく展示品を眺めた。

しかし、この小説を読んで、シーボルトへの印象は180度かわった。

日本人からしたら、単なるスパイ野郎ですね。この小説の中では。そして史実をつなぎあわせても同じこと。このように詳細に描写してもらって、彼がいかにろくでもない野郎かが浮き彫りになっております。

多くの日本人を巻き込んで不幸にさせてもしくは命を奪ったシーボルト事件
彼のスパイ行動は、別に、愛国心に燃えた行動でもない、ただ、鎖国でヨーロッパからしたら未知だった国、日本を晒し、様々なものを、もちろん日本から国外持ち出しが禁止されていたものもこっそり持ち出し、自分の名声を高めようとしただけであるから、さらに気分が悪い。

これを読んだ後にライデンに行ってたら火を放って焼き払ったかもしれない。とはいえ今となっては当時の日本のものがいい状態で保存されているというのは皮肉なことではあるが。

ま、日本に西洋医学を広めようとしてくれたことはやはり当時では大きな出来事だったのかもしれませんけどね。

こんな不埒な野郎は他の日本人と同様に牢屋にぶちこんでとり扱えばよかったのにと思いましたよ。

ま、外交問題でもあるので穏便に処分、というのは日本の伝統なのかもしれませんが。

ちなみにシーボルト同様、オランダ人と偽って出島に入り込んだスウェーデン人ツンベリの自分の中での評価も爆下げとなりました。発想も行動も似たようなもんだし。

そのシーボルトと出島のオランダ商館専用の遊女に身ごもった子供がイネ。

この小説の主人公なのですが、後半、再び日本に舞い戻ってくるシーボルトのこれまた気分のわるくなる行動の印象が強すぎて、どうもイネのことには気持ちが回らない。
一番、へー、っと人の人生について考えさせられたのは、このイネと、イネの娘のたどった「同じ」運命、船の中での出来事でした。

おすすめの一冊です。吉川英治文学賞受賞作。長崎の当時の風物風俗の描写は秀逸です。
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