ライフ イン スウェーデン

スウェーデンでの日々の雑感、旅行記、サッカー観戦記、などなど。

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ドナウの旅人 上下 ネタバレあり

宮本輝という作家。1978年の芥川賞作家
私は昔昔、この作家の本はエッセーも含め全部読んだ。好きな作家だった。
しかしある小説での風景描写が陳腐でぶちぎれて以降あまり読んでなかった。

今回の旅で、ドナウの旅人上下を読んだ。

何年ぶりだかわからないがたぶん20年ぶりくらいだと思う。
この小説は1985年に朝日新聞に連載されていた。ちょうど30年前の小説である。
なので、東西冷戦のまっただ中、ハンガリーから東は当時のソビエトを中心とした社会主義、共産党陣営。

今回の旅で若い人たちと話をしていて、僕の誕生日はドイツが再統一した日なんですといった若者や、ユーゴの内紛について宿でネットで調べて初めて知った、という若者もいて、この数十年の世界の歴史の流れの早さについても思いを馳せた。

私は子供から成長期が冷戦まっただ中だったので、東ベルリン、東ドイツの地に立ったり、旧ユーゴや東欧の地を歩くと感慨深い物がある。この小説を読んだときはヨーロッパに一度もいったことはなかったのだが、今回久々に読んでみて、小説の舞台となっている、ドイツのフランクフルトやニュルンベルク、ハンガリーのブダペスト、セルビアのベオグラード、ブルガリアのソフィア、そしてルーマニアのブカレストにも訪れたことがあるということで、まさに、自分も年を取ってそして多くの経験を重ねてきたんだなと思った。この小説でそれらの国の人の話すことと私が話した人の話は違っているのはやはり時の流れか。

先ほどもいったけど宮本輝は好きな小説家、だった。
で、この小説が好きだったかどうかは記憶にない。設定だけをかすかに覚えていて、ラストはどうなるんだろう、と非常に新鮮に読めた。

しかし、がっかりした。宮本輝って人物描写にこんなに説明文をくっつけたっけ、とか、初対面の人に言いがかりふっかけて後で関係が深まるというワンパターンや、主役の女性(娘の方ね)の性格の悪さとか、とってつけたような主役の女性(おかあさんね)の成長とか、主人公の男のブダペストでの情けない振る舞いとか、そして、最後の最後のふざけたエンディング。

核心のねたばれね。


さあ、夫を捨てて7ヶ月の旅に出た50歳の女性、さあ、旅の終わりの後、どのような人生が待ち構えているのか、わくわく、していたら、あっさりくも膜下出血でお亡くなりになりました。

この都合が良すぎるエンディングに私はぶちぎれました。


というわけで、彼の小説の中でも、ただ長いというだけで、あまりたいしたことはない作品と私は結論づけました。といっても昔読んだ川三部作とか内容覚えてないし、青が散るはエンディングで主人公の告白しか覚えてないのですけどね。若い人に宮本輝といっても誰も知らないし、最近の作品はこの15年で2冊しか読んでないし。

ただ、宮本輝自体が面白くて、エッセーもおもしろくて、小説にはみんなが力が出るようなことしか書かない、というようなことを書いていたような記憶があります。ハンガリーからの留学生も面倒見たり、いい人なんだと思います。彼の講演テープを聴いたことがあるのですが、予備校の国語の試験で、僕の書いた小説が題材になっていて、この文章における作者の意図を述べよ、という問題に解答をかいたら、0点だったよ(笑)と明るくお話されていたのが思い出されます。

若い頃好きだった宮本輝とか、渡辺淳一が最後ああなったのはちょっと残念だけど、まあ、そんなもんかな。

最近は村上龍村上春樹東野圭吾が好きかな。

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